こんばんは!
元ダンサーTayu(たゆ)です。
今回は、講義の中で勉強したノーマライゼーションの「生みの親」バンク・ミケルセンと「育ての親」ベンクト・ニィリエについてまとめたいと思います。
ノーマライゼーションを世界で初めて提唱したのはデンマークのニルス・エリク・バンク-ミケルセン(N.E.Bank-Mikkelsem)です。彼が起草した1959年法のノーマライゼーションは、精神論ではありませんでした。
ノーマライゼーションは、「社会で日々を過ごす一人の人間として、障害者の生活状態が、障害のない人の生活状態と同じであることは、障害者の権利である。障害者は、可能な限り同じ条件のもとに置かれるべきであり、そのような状況を実現するための生活条件の改善が必要である」とする考え方です。
人はどんなに障害が重くても、ノーマルライフを送る「権利」がある。社会はそれを保障する「責任」がある。という、権利と社会的責任に裏打ちされた思想でした。
つまり、社会的マイノリティを含めた人たちに一般市民と同じ普通(ノーマル)の生活や権利が保障されるよう、環境を整備することですね。
そして、スウェーデン知的障害児者連盟(FUB)のベンクト・ニィリエ(B.Nirje)は、バンク・ミケルセンのノーマライゼーションを知り、その言葉を当時のスウェーデンとデンマークでの施設の状態を批判する文書で引用しました。
ニィリエは、「知的障害者は、ノーマルなリズムにしたがって生活し、ノーマルな成長段階を経て、一般の人々と同等のノーマルなライフサイクルを送る権利がある」とし、ノーマライゼーションを原理として整理した。
そして「ノーマライゼーションの8原理」を提唱しました。
①一日のノーマルなリズム
たとえ重い障害があっても、ずっと家にいるだけではなく、普通の人と同じように社会に属し、その日、1日をどう過ごすかを考える。
②一週間のノーマルなリズム
週5日、自宅から学校や職場に行く。もちろん他の場所にも遊びに行く。週末には仲間との楽しい集まりもある。
普通の一般の人々と同じような生活を送る。
③一年間のノーマルなリズム
一年の季節によってさまざまな食事をし、仕事も変化があり、行事も楽しむ。
④ライフサイクルにおけるノーマルな発達経験
音楽や異性との交流も普通の人のように興味を持つ。仕事を通して責任も負う。
人生のどの時点においてもその時を楽しみ、謳歌する。
⑤ノーマルな個人の尊厳と自己決定権
普通の人と同じように自由と希望を持って生きる。周囲の人もそれを認め、障害を持つ人を尊重する。
⑥ノーマルな性的関係
子供であっても大人であっても、異性との良い関係を築く。
青年期は異性との交際に興味を持ち、恋に落ち、人を愛し、愛される。
⑦ノーマルな経済水準とそれを得る権利
障害の有無にかかわらず、誰もが基本的な公的財政援助を受けられる。
そして、そのための責任を全うする。
⑧ノーマルな環境形態と水準
普通の人と同じように、望む地域で望む家に住み、地域の人達と交流しする。
健常者(障害も持たない人)が無意識に偏見を抱き、「障害がある人は普通の生活ができない、サポートが必要だ」と考えがちですが、それにより障害がある人たちの権利を奪い、人権を侵害している可能性さえあります。
大切なことは、健常者が色眼鏡で障害者に対して接しないこと、そして同じ社会の一員として自分らしく生活して生きていけるよう、手と手を取り合って環境を整えていくことが大切だと思います。
今回はまとめという形になりましたが、二人の介護福祉のキーマンをまとめてみました。他にも岡山には介護福祉の父と言われる石井十次、石井亮一など有名な方も多数いらっしゃいます。そういった方もまた調べて載せていけたらと思います。
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